【前編】「ゆるく」、「らしく」あること。多世代のための「ひろば」がある保育園とは(福)誠美福祉会 幼保連携型認定こども園せいび

 

八王子市

八王子市南大沢駅から徒歩10分のところにある「子育て広場いずみ」(以下、「いずみ」)は、「ゆるさ」と「らしさ」をコンセプトに掲げ、多世代が交流できる「いずみ」の雰囲気にたくさんの人が集まってきます。時には子育て世帯が、時には地域の高齢者が、そしてまたある時には在園児が主役となり、誰かの「やりたい」が今日も実現しています。今回は、「いずみ」の活動を取材するため、(福)社会福祉法人誠美福祉会 幼保連携型認定こども園せいびに伺いました。(前編/後編 全2回の前編)

東京都地域公益活動推進協議会では、2023年夏に「いずみ」の取組みを取材、動画化しています。当時はこの「いずみ」の活動がスタートしてまだ間もないタイミングでした。(過去の動画はコチラから視聴できます。)

 

 

 

「いずみ」は「子育てひろば」という名前がついていますが、子育て世帯に関わらず、多世代利用しているひろばです。保育園の一角に「古民家」をコンセプトとして増設されたひろばでは、子どもも大人もふらっと立ち寄れる「居場所」として機能しています。予約は不要。誰でもいてもいいよというメッセージを発信し続けています。(営業:10-15時 月~金)

 

 

動画は大反響!たくさんのつながりが生まれました

―――ずばり動画を撮影した環境はいかがでしょうか。

紹介していただいたのが、 ここで一番初めに立ち上がった編み物サークル「アミーゴ」でした。子どもたちのおもちゃを毛糸で編むサークルなんですけど、園の保護者の方々にも活動の周知ができたことに加え、 動画を見てサークルの仲間になってくださった地域の方もいらっしゃいました。

それから、毛糸のご寄附をいただくということがありました。私も編みものをするので、このサークル立ち上げたというのもあるんですけど、 毛糸って貯めがちなんです。ありがたかったです。 それから八王子市社協の方でも、毛糸の使い道に困ってらっしゃるという方に我々を紹介してくださり、そちらの寄付もありました。

 

―――たくさんの反響があったようで我々も嬉しいです。最近のひろばの活動はいかがでしょうか。

動画取材のあと、子ども食堂も始まりまして、いずみに来て下さる地域の方が主導で、保護者の方と一緒に協力してやっています。もともとその地域の方も、子ども食堂を始めたいけど、 場所がないということをおっしゃっていて、ここをお貸しすることになりました。現在は月に2回、第1、第3金曜日の4時半からという感じですね。 在園児を迎えに来たご家庭とか、もちろん地域の方もいらっしゃいます。(食事は30食限定。子どものご飯のみ)

左:いずみの雰囲気 古民家をコンセプトとしたこだわりが詰まっています

右:「アミーゴ」の作品 アイスクリーム

 

 

それから「柚木ぶら散歩の会」というサークルも立ち上がりました。地域包括支援センター(以下、地域包括)と情報交換する中で、男性の高齢者を地域にもっと参加させたいという考えをお聞かせいただきました。そのような中で、在園児の保護者の方で、 カメラマンの方がいらっしゃるんですけど、 その方がこの辺の史跡を撮ってまとめる活動をしていて、地域に広げたいとを仰っていました。

それから、これも偶然にいずみに来て下さる方のつながりの中で、八王子市内の歴史編参をされていた方と、この地域の団地開発の元デベロッパーがいらっしゃいました。このような方たちをつなぐことで、地域の史跡を回り、写真を撮りながら歴史を学ぶというサークルが立ち上がったのです。

 

 

近所の史跡を回り、写真を撮る活動が人気だ「由木ぶら散歩の会」

 

 

まずサークルの定例会で、 今度はここに行こうという事前学習のような打ち合わせをして、次の週に実際に向かいます。そこでお話を聞きながら写真を撮るんですよ、皆さん。 それから「いずみ」に帰ってきて、カメラマンの方にカメラワークですとか見てもらいながら振り返りの会をしています。

男性が地域活動に自ら参加したくなる際の工夫として、 何か目的を持ってもらうということがポイントと思っています。ご自身もいろいろ知り得た、 うんちくも語り合いたくなると思うんですよね。そんな場を提供できています。

「アミーゴ」の方も発展していて、若いママに編み物を教えるというサークル、 「ママアミーゴ」というのを立ち上げました。「いずみ」はもともと子育てひろばでもあったので、ここに赤ちゃんを連れてきたお母さんたちに教えてあげています。

 

 

南大沢駅から遊歩道を進んだ集合住宅の一角に「いずみ」はある。落ち着いた和やかな雰囲気であった

 

ここで知り合った地域の人たちが、たまたまスーパーであった時に、 子どもがちょろちょろしちゃって、 お買い物ができなかったみたいだから、 「買い物の間だけ、 私見てあげてた」とかっていうようなやり取りも生まれています。そうやって、 知り合っていくって、 素敵だなと思っています。

 

 

「いずみ」の役割 やってみたいという地域の方の声を形にする

インタビューにお答えいただいた折井 真美副園長(左)、折井 誠司園長(右)

 

 

―――在園児が地域の方と触れ合う機会にもなっています。

園には小さな畑があります。その畑の指導として、地域の方に手伝ってもらっていて、野菜づくりのコーチになってもらっています。ある日、「今日、俺の親友が、園に来るんだよ」って、 子どもの一人が話していて、何かなって思ったら、 その野菜のコーチのおじさんのことだったようです。親友なんですって。いいなあと思いました。地域の人と、人として対等に話したりして、そういう関係性がたくさん生まれたら、子どもたちにとっても良い経験になると思っています。

「アミーゴ」では、今年度の活動として編み物の人形を在園児の子どもたちの誕生日に 1人1個ずつプレゼントしています。子どもたちがとても喜んでくれるので、サークルのメンバーもどんどん作っちゃうわけですね。どんどんたまっていきます。

園で遊ぶためのおもちゃもつくってもらっています。簡単なモチーフを見立て遊びみたいなことでもたくさん使っています。 また、作った玩具を作ったメンバーに届けてもらって、子どもと一緒に遊んでもらうということもしています。

 

自分で作ったもので、子どもたちがこんな風に遊んでいるんだというのを見ると、 あそこを改良した方がいいとか、いろいろ発展するんですよ。子どもたちにプレゼントする(ギブ)ことそれを遊んで楽しんでいるのを見られる(テイク)こと、それが多世代交流の機能かなと思います。

 

アミーゴの作品たち

 

ここではいろんな方たちの想いが集まってくるんですけど、 やってみたいという地域の方の声を形にするというのが、私たちがしていることかなと思っています。

地域公益推進協のさまざまな取り組み

地域公益活動推進協議会では、食の支援、学習支援、子育て支援など様々な活動を動画化し、YouTubeで発信しています。
取り組みを、ぜひ動画でご覧ください。

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