共感を得やすいテーマで ”横のつながり” を広げていく(板橋区社会福祉法人施設等連絡会)

 板橋区社会福祉法人施設等連絡会

板橋区

今回お話をうかがったのは、板橋区社会福祉法人施設等連絡会。板橋区内の社会福祉法人がまとまることで生まれるスケールメリットを活かし、地域における公益的な取組みを効果的、一体的に実施することを目的とし2016年6月に設立されました。板橋区内の高齢・障がい・児童・その他の分野の100施設(2025年10月現在)が加入。運営事務局は板橋区社会福祉協議会。

<取り扱った地域公益活動事例>
板橋区社会福祉法人施設等連絡会では、令和3年度、社福連の目的に「災害時等における会員相互協力」を追加。できる範囲で、応急対策及び復旧対策等が円滑に遂行できる応援体制のベースを構築しました。
※公開中の事例ご紹介はこちら

 

社会福祉法人がまとまって力を発揮するために
ネットワークがどう寄与するか

板橋区社会福祉協議会にてお話をうかがいました。左から、坂本連絡会代表(社会福祉法人みその福祉会 理事長)、一島さん(板橋区社会福祉協議会)、井畑さん(板橋区社会福祉協議会)

 

---板橋区社会福祉法人施設等連絡会 の主な取組みについて教えてください。

板橋区社会福祉法人施設等連絡会(以下、いたばし社福連)の主な取組みは4つあります。
①情報交換および交流~つながりをつくる取組み
②地域公益活動
③人材確保および育成
④災害時等における会員相互協力体制の構築
です。

これらを進めるうえで「できること・できる範囲で参加する」というコンセプトを大切にしています。そうすることで、各法人の強みや規模が異なるなか「参加する」ということが可能となり、また過度な負担とならないことで持続可能な仕組みとしたいからです。

 

 

板橋区における地域共生社会の実現に向けて

板橋区における地域共生社会の実現に向けては、地域と専門職がどう手をつなぎ、協働を深められるかが重要なテーマとなります。そして、まさに専門職の集合体であるいたばし社福連がどのような役割を担えるかが肝であると思っています。
いたばし社福連は板橋区の社会福祉法人施設が、単体の施設だけでは完結するのが難しい活動や、解決しにくい地域課題に取り組むためにつながり、まとまることで力を発揮できるよう組まれたネットワークです。

各施設の「できること」を持ち寄り、分かち合うことで大きな輪となり、それが新たな活動となるイメージです。どのような活動を展開していくかについては役員会で協議を重ね、総会で諮り承認を得ることで連絡会の意思決定としています。このような手続きを踏むことで主体性を持って活動を推進しています。

この一連のプロセスにおいては、事務局である板橋区社会福祉協議会(以下、いたばし社協)が地域の皆さまとともに策定している地域福祉活動計画の内容をしっかりと意識しています。活動計画の策定委員会には坂本代表幹事に参画いただき、社会福祉法人が地域公益活動の一環でなにができるのかについて具体的に検討しています。活動計画に基づいた視点を持つことで、地域の実状や地域課題を反映した取組みとなるよう意識しています。

一方で課題もあります。会員の皆さまの参加度合いは異なっているのが現状です。やはり一つひとつの活動について詳細までなかなか伝えきれなかったり、本来事業以外に人手や時間を割くことができず参画が難しい会員がいることも事実です。

 

「災害対策」は社福連(ネットワーク)会員共通のテーマ

柱となるテーマの一つに「災害対策」があります。「災害対策」は各施設で必ず必要になります。「災害時にどう動けばよいのか」や「平時はどんな準備をしておけばよいのか」といったことは、皆さんに通じるもので、つながりや連携で力を発揮できることが共感しやすいテーマになります。

 

災害への対応は、いたばし社福連の設立当初から重要なテーマとして挙げられていました。特に、板橋区は荒川が近いので、水害への備えは具体的に意識しやすいものでした。

 

 

 

外部のコンサルタントを招いての勉強会からスタートし、その次は令和元年台風19号の時の水害について学びました。それから社福連の中で、災害時を想定した利用者の避難移動する訓練を行ってきました。

 

 

共感を得やすいテーマで活動の 横のつながり を広げていく

「災害対策」が共感を得やすいのと同じく、「食支援」も皆に関わるものなのでとても共感が得られやすいテーマです。いたばし社協は地域の皆さまとともに、「食」に関わる様々な取組みを包括的に進める、「食」からつながる応援プロジェクト を実施しています。

 

いたばし社福連も「子どもサポート活動」として当プロジェクトに参加するかたちで、フードドライブ活動や食品配付会への参加、孤立リスクの高い子育て世帯に対する見守り訪問といった、「食」に関わる支援活動に取組んでいます。

同様に、板橋区には従前から「食支援」を行う多様な団体・ネットワークが存在しており、いたばし社協は各事業・取組みを通してそれぞれの団体・ネットワークとつながりを持っていましたが、横のつながりには至っていませんでした。板橋区における「食」に関わる包括的な支援体制の構築のため、それぞれのネットワークを大きくネットワークする協議・協働の場を設置し、そこにいたばし社福連も参画しています。

「食」という共感を得やすいテーマを通じて、強みや「できること」の異なる横のつながりを広げていくことで様々な化学反応が起こり、それぞれが抱えていた課題を乗り越える力が生まれつつあります。

 

 

---今後について

「災害対策」や「食支援」はあくまで “切り口” という認識です。そこでつながりが生まれると、それ以外のことにも活かせるよね、と。「食支援」で進めているネットワークの構築も、地域共生社会の実現に向けた地域づくりです。これがきっと「災害支援」にも活かせるし他のテーマ、例えば福祉教育の充実や人材の育成・確保にも活かせるかもしれない。そのように少し先の未来を想定しながら今は「災害支援」、「食支援」で行こう、というのが社福連の方向性です。

いたばし社福連があることで、話し合い、協力し合って、お互いに地域のために貢献できる仕組みを作ることができると思っています。先ほども述べましたが、法人や施設によって取組みの参画に差があるのは事実ですが、その全体の底上げにはどうすべきか、というアプローチが必要です。

いたばし社福連が主催したバレーボール大会には施設の職員や家族、関係者が参加。これも横のつながりを広げていく大事なイベント。

いたばし社福連の事務局としては、会員の皆さまからより一層の共感を得るためには、情報をわかりやすく発信することが大切で、そこにはまだ課題があると感じています。「社福連だとできるよね」 という雰囲気をどう作っていくか。みんなで協力しながらこの重要な課題に向き合っていきます。

 

 

取材にご協力いただき、ありがとうございました。

地域公益推進協のさまざまな取り組み

地域公益活動推進協議会では、食の支援、学習支援、子育て支援など様々な活動を動画化し、YouTubeで発信しています。
取り組みを、ぜひ動画でご覧ください。

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