
work support
相原 弘子さん、藤田 真利さん
work support
はたらきたい人を支えるという地域公益活動 (社会福祉法人村山苑)
社会福祉法人村山苑(東村山市)では、法人内の11受入施設・事業所にてはたらくサポートとうきょうでの受け入れを行っています。(同一敷地内ではまとめての事業所となっています) 平成29年4月の事業開始から令和6年1月までに30名以上の訓練者の方が村山苑を利用されました。今回は村山苑理事長の相原 弘子さん、はたらくサポートとうきょうも含めた中間的就労訓練事業の窓口を担当されているむらやまえん生活相談所の藤田 真利さんにお話を伺いました。

―受け入れの様子―
「村山苑で受け入れしている方たちは、年代もそれぞれですし、障害のある方が多いといった偏りはありません。ただ皆さん『自身がない』、『不安がある』といったことだけは共通しています。」
「東村山市内外、中には町村部など居住地もそれぞれです。実績として、武蔵村山市、東大和市、小平市、福生市、瑞穂町、国分寺市などの方も受け入れていました。本当に多様な方が働いています。」
―選択肢を提供することが重要―
「市外からの受け入れについては、通勤時間が長くなり、通いづらくなる懸念はありましたが、日中に活動をするという”リズム”をつくるという意味では効果的なのだと思います。ご本人にとっても通勤している”それっぽさ”がでてくるのではないでしょうか。一方で体力的に通勤が難しい方もいらっしゃいます。そのような方は、電車や自転車で通える範囲の場所を探していく必要があります。」
「通勤する地域を選ぶことも非常に重要な点です。そのため、”ご本人に合わせたはたらく場所”とのマッチングが何より重要なのだと思います。深海に住む魚が浅瀬では生きづらくなるように、ご本人にとって、より働きやすい職場を見つけることがとても大切だと思います。」
「例えば、インタビューを受けてくださったお二人のように、最初の説明後は付き添いの必要がなく、黙々と同じ作業を実施するのが得意な方は、その得意なことを活かす働き方を、ご本人が「選べる」といいかなと思います。」
「そのため、選択肢は多ければ多いほど良いと思います。その”選択肢”を増やすために社会福祉法人それぞれの得意分野を活かして、”はたらきたくてもはたらけない”人をサポートするということが、社会福祉法人の地域公益活動として、より浸透していく必要があると思います。」
―さいごに―
「村山苑で受け入れてきた方たちの3分の2くらいは、『人と関わることが苦手』なためにお仕事が続かなかった方たちでした。そのようなこともあり、丁寧に対応することを大切にしています。」
「受け入れた訓練者の方々には、法人内の受入施設のどこかに所属して働いていただいておりますが、そこでは就労支援担当者をはじめとした複数の職員が、訓練者へ関わっています。担当者は定期的に業務中の様子を伺うようにしていますが、組織内の体制の関係もあり、完全にその担当者のみが関わるということは難しい状況です。そのため、訓練の受け入れにあたっては多数の職員の協力が不可欠です。
直接訓練者と関わる職員に対しては、『静かに見守るように接してください』、『どのような仕事を任せるのか丁寧に説明してください』といったことをお願いするようにしています。」
「中間的就労はステップアップのための手段です。お任せする業務の内容自体は、もしかしたら「この先ずっとやりたい」仕事ばかりではないかも知れません。ですが、働くこと、通勤することに慣れるためと思って、続けていただくといいかなと思います。」
